4部 リエゾンと縮約

ここまで、個々の単語の発音を説明してきましたが、本節では文中の発音の変化を説明します。
サウォネでは、単語と単語、または接辞と語幹の境界で音が連続するとき、発音を滑らかにするためのリエゾン(tteenen-etut)や縮約(tkooopoeu)という現象が頻繁に起こります。

リエゾン

次の要素が母音だと、単独では発音されない末飾音が発音されるようになります。 この現象をリエゾン(tteenen-etut tteenen-etut)といいます。 リエゾンは単語と単語の間だけでなく、レノテで結ばれた語や、語幹と接辞の境界でも起こります。

次の要素が母音かどうかは、綴りではなく実際の発音で判断します。 また、鼻母音を作る語末の n n のあとに母音が続くと、 鼻母音を保ったまま /n/ も発音します。

末尾 単独・子音の前 母音の前
t t 発音しない /t/
k k 発音しない /h/
p p 発音しない /f/
b b 直前の母音と結び付いて /u̯/ /w/
鼻母音を作る n n 直前の母音を鼻母音化する 鼻母音に続けて /n/ を発音する

例

tte-put tte-put /sifə/ pass.pst-find
a'teun a'teun /ɑˈtœ̃ː/ newly
/sifətɑˈtœ̃ː/
新たに発見された
語末の t が次の母音 a と結びついています。

レノテの内部や、語幹と接辞の境界でも同じ規則が働きます。

形 発音 起きていること
put-ab put-ab /fətɑu̯/ 単独では発音しない t t を /t/ と発音する
tutuook-ab tutuook-ab /təˈrohɑu̯/ 単独では発音しない k k を /h/ と発音する
keb-a keb-a /ewɑ/ 単独では /u̯/ になる b b を /w/ と発音する
noopoon-a noopoon-a /joˈfũnɑ/ 鼻母音を保ち、そのあとに /n/ を発音する

リエゾンでは、境界にある末飾音が発音されるようになります。 一方、次に扱う縮約では、境界に並ぶ母音などが省略されたり、ほかの音に吸収されたりします。

縮約

連続する母音のうち、特に u u のような弱い音が省略されたり、母音が吸収されたりします。 このように、母音が縮んで発音されることを縮約(tkooopoeu)といいます。

原則、語幹の母音が残り、接辞の母音が省略されますが、語幹の母音が弱い場合は、接辞の母音が残り、語幹の母音が省略されることもあります。 その他慣例によって、語幹の母音が残り、接辞の母音が省略されることもあります。

省略された箇所はしばしばアフェショウフォテ(app'e-tkooopoote) ' 'で示されますが、発音上でのみ省略される場合もあります。

例

pu pu pu /fə/ 1
kn'e'pek. kn'e'pek. knu-e-apek. /ɳeˈfe/ deon-pass-forgive
/fə ɳeˈfe/
私は許されるべきだ
元の形:knu-e-apek(knu の u と apek の a が省略)