2020年8月11日の夢。
提出物を図書室に出しにいったところ、熱帯雨林室の見張りを頼まれた。二時間くらいでいいから、とのことらしい。特に用事もなかったので了承し、熱帯雨林室の前でぶらぶらしていることにした。
特段やることもなく、できることといえば動物たちを眺めることくらいだった。ゴリラ、ゾウ、オウム、色々な虫たち。貴重なスマトラサイもいる。これだけ沢山の動物がいるのによくここから脱走すれないなと思う。私と動物たちを隔てるものは目の大きい檻だけなのだ。現にその檻も開け放たれたままなのだから、実際いつでも出られる状況なのだ。と、そのとき足元でサイが部屋から出てこようと頭を出してきた。慌てて部屋に入ってもらい扉を閉めた。別に脱走しないわけでもないのだなと思った。
ふと足元に金色のカブトムシを見つけた。角は短く背はいびつに歪んでいる。掴み上げて見ると意外にも光沢はなく、金色というよりも濁った黄緑色のようだった。
「それはオウゴンカブトムシヤドリだね」
管理のおばちゃんに声をかけられた。
「はあ」
「そのカブトムシは寄生されているんだよ。ほら、お腹を見てみろ」
カブトムシを裏返すと、細かい白いものがついているものが見えた。なるほどこれが寄生虫か。なんとなく気色が悪い。
「そいつは生まれてすぐに寄生されたんだね。気づかずにそこまで大きくなったんだよ。もう死んでいるのじゃないか」
私にはどうしてそうなのかはわからなかったが、そうらしい。先程も動いていたのに、これでも死んでいるのだな。私は気味が悪くなってきて、それを檻越しに熱帯雨林室へ投げ入れた。